日本では民法第732条で重婚が禁止されています。
民法第732条:重婚の禁止
もし重婚が発覚した場合は民法第744条の定めに基づき、当事者(重婚をした者)の配偶者や親族、検察官などが、後婚の取消を請求できるものとされています。
しかしそもそも、民法第740条の定めがあるため、すでに配偶者を持つ人が別の人との婚姻届を役所に提出しても、通常は受理されません。
戸籍の確認で、すでに配偶者がいるという事実はすぐに分かるからです。
つまり、重婚という事象が発生すること自体、なかなか稀な出来事なのです。
民法第732条:婚姻の届出の受理
では、いったいどのような経緯で重婚が起こりうるのでしょうか?
考えられるのは次のようなケースです。
- 役所の職員の見落としにより、誤って重婚の婚姻届が受理された
- 離婚して別の相手と再婚したが、前配偶者との離婚が無効化又は取り消された
- 失踪宣告により配偶者が死亡扱いとなった後、別の相手と再婚したが、前配偶者の所在が判明し失踪宣告が取り消された
- 失踪宣告を受けた本人が、実は他所で生存しており他の者と結婚していた
など
これらのような状況で重婚が発生することがありますが、当事者自身に故意がない場合は重婚罪として罰せられることはありません。
故意による重婚とは、配偶者がいる事を隠して不正に別の婚姻届けを提出したり、虚偽の離婚届を提出するなどして不正に離婚をした後に別の者と再婚した場合などです。
離婚が不正な手段によるものだった場合は、その離婚は無効となり婚姻関係は継続していることになるため、別の者と再婚すると重婚の状態になるのです。
このように故意・悪意による重婚の場合は重婚罪となり、刑法第184条の定めにより2年以下の懲役に処されます。
民法第184条:重婚
また、その相手方となった者も、これが重婚であると知りながら結婚した場合は同様に処罰の対象となります。 |