GPSを仕掛ける行為は犯罪？違法性をケース別に解説

GPS発信機を使えば、相手が現在、どのあたりにいるのかを知ることができます。
そのため、子供にGPS機能がついている機器を持たせるという大人は少なくありません。
子供の安全のためを考え、GPSを持たせることは、なんら咎められることではありません。

しかし、GPS発信機をいつどこにしかけてもいいのか、というと、そういう訳にはいきません。
GPS発信機は仕掛けてもいい場所といけない場所があります。

今回は、どういった行為が犯罪になるのか、ということについて解説していきますので、GPSを使いたい、という方は、本記事を参考にし、節度を持って使用していただきたいと思います。

GPSを仕掛けるのは違法？

GPSの売買は法律で規制されていません。
ですから、GPS発信機を売ったり買ったりすることは合法です。
GPSの使用そのものにも違法性はありません。しかし、使い方によっては、違法になる場合もあります。

GPSを仕掛けても犯罪にならないシチュエーションとは？

まずは、GPSを仕掛けても犯罪にならないシチュエーションについてみていきましょう。

GPSを自分の所有している車や、バイク、自転車などに設置することは合法です。

また、夫婦で購入した家や車など、共有財産とみなされるものに仕掛けることも合法です。そのため、不倫の調査のために、車にGPS発信機を設置し、相手の動向をチェックすることも合法だとみなされます。
このように、基本的には自らの持ち物にGPSを仕掛けることは、合法だと見なされます。

GPSの設置が犯罪になるシチュエーションとは？

次に、GPSを設置したら犯罪になるシチュエーションについても確認しておきましょう。

不倫の調査のためにGPSを使いたいと考える方は多いでしょう。

しかし、自分たちの車にしかけるのではなく、不貞相手の車に仕掛けるのはNGです。
不貞相手の車に仕掛けようとして、住居の敷地内に侵入するだけでも、住居侵入罪（不法侵入）に問われる可能性があります。

GPSを仕掛けようとして、他人の所有物や公共のものを破損させてしまった場合、器物損壊罪に問われることが考えられます。
GPSを設置する場合は、そのほかのものを傷つけないように、最大限注意する必要があると言えるでしょう。

GPSを仕掛ける相手に対して、度を超えた監視となるような使い方をした場合、ストーカー規制法が適用される可能性もあります。
今は、ストーカーに対する取り締まりも厳しくなっていますから、いくら恋人、夫婦だとしても過度の束縛はいただけません。

また、別れた恋人にGPSを仕掛けるのは、高い確率でアウトとなります。

そのような手段で相手の動向を監視したとして、復縁につながることはまずありません。
関係の修復ができないばかりか、犯罪者となるリスクが大変高いです。

自らの持ち物にGPSを設置することは合法ですが、他人の敷地に侵入して設置したり、他人の持ち物を破損させたり、ストーキング目的で設置したりすることは違法になる、と覚えておきましょう。

GPSは浮気調査に活用できる。でも注意が必要！

今回は、GPSの使用が犯罪になる境界線について解説してきました。いずれの場合でも刑事告訴されるような罪になることはそう多くはありません。
しかし、プライバシーを侵害したとして民事訴訟の対象になる可能性はあります。ですから、他人の住居や車にGPSを仕掛けようとすることは絶対にやめましょう。

GPSが安全に合法的に使える場所は、自らの持ち物だけです。
よく使われる方法は、浮気調査のために、夫婦の共同名義の車にGPS発信機を仕掛けることでしょう。
GPS発信機を使えば、配偶者がどこにいっているのかを確認できます。

1日の動きを確認できるGPSもありますから、会社に言っていたと嘘をついて、ホテルに行っていたという嘘をすぐ見抜くことができますし、浮気相手の自宅を突き止めることができる場合もあります。
そういった意味で、浮気調査にはGPSはとても使える道具なのです。

しかし、浮気相手の自宅に侵入し、他人の車にGPSを設置するなど、いきすぎた調査は違法です。
自らの正当性を主張しようと頑張りすぎて、自分が犯罪者になってしまう危険性がある、ということは、肝に命じておくべきでしょう。

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