自殺関与や同意殺人において重要なポイントとなる、被害者本人の意思。
とくに自殺幇助や嘱託殺人の場合は、被害者からの依頼や強い希望があり、その願いを聞き入れて犯行に及ぶというケースが多いです。
その場合、自殺を手伝ったり殺人行為を行った者が裁かれるのは納得できるが、それを依頼してきた被害者本人にも罪があるのではないか?という疑問が出てきます。
現在の日本の法律では、自殺行為や自身の殺害を依頼する行為は、実行された場合も未遂の場合も、処罰の対象にはなりません。
その根拠として、主に2つの考え方が存在しています。
ひとつは、自殺や自身の殺害依頼という行為は違法な行為ではあるが、行為者に対する責任非難ができないものとして、処罰の対象外になる、という考え。
もうひとつは、自身の生命に関する選択・判断は個々の本人に委ねられるべきであり、自ら死を望むことはそもそも違法ではない、という考え。
実際、司法業界や法律研究者の間でも意見が別れ、さまざまな議論がされている問題です。
いずれにしても、自殺関与や同意殺人において裁かれるのは加害者側のみになるわけですが、犯行の経緯や事件の内容によっては、情状酌量で刑期が少なめになるなどの考慮がされる場合もあります。 |